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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(オ)1052号 判決 1954年3月26日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由は末尾添付の別紙記載のとおりであつて、当裁判所は次のとおり判決する。

原判決の認定事実によれば、本件差押物件は差押と同時に上告人に保管を命ぜられ、その使用を許可されているものであること、及び将来公売する場合には公売公告の初日からその期日までに少なくとも十日の期間を存し、その公売実行のためにはそれまでに所定の公売執行場所まで差押物件を運搬することを要し、且つ本件所轄松山税務署においては、公売には公売通知を滞納者に通知し、そして差押の日から公売公告の日までには通例三十五日から四百七十日位(平均三百日位い)を存しており、本件は未だ公売の公告をしておらないものであると云うのである。

さて、所論行政事件訴訟特例法二条但書は、本訴には適用はないのであるが右原判決認定の如き事実関係の場合は、右特例法二条但書と同趣旨の国税徴収法三一条の四第一項但書にいわゆる「著シキ損害ヲ生ズル虞アルトキ其ノ他正当ナル事由アルトキ」とある場合に該当しないものと云わなければならない。されば原判決の判断は正当であるから論旨は理由がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見をもつて、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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